Qt / Qt Creator

Prepare for Qt Build on Windows 10 (Part 3: ICU)

Introduction

本稿では、Windows 10 において、ICUのインストールと設定について、以下の通り述べます。

それでは、参りましょう。

ICU (International Components for Unicode) Overview

ICUは多くのプラットフォームで使用されているUnicodeサービスです。C/C++とJavaライブラリであり、ソフトウェアアプリケーションにUnicodeとGlobalizationサポートを提供します。

主な機能は以下の通り。

  • Code Page Conversion: Textデータの変換
  • Collation: Stringデータの比較
  • Formatting: 数字/日時/時間/通貨の変換とフォーマット
  • Time Calculations: 各暦に合わせた時間の計算
  • Unicode Support:  Unicode Standard参照
  • Regular Expression: Unicode Standard参照
  • Bidi: 行を左/右から読む場合のサポート
  • Text Boundaries: 単語・文・段落を認識し、改行などをサポート

Unicode Overview

Unicodeはプラットフォーム/プログラム/言語に関らず、文字毎にユニークな数値を定義しています。ISO 10646 std.と同義であり、互換性を保ちながら、効率的に文字データを処理する為に必要なセットです。

How to Install ICU on Windows with Visual C++

TortoiseGit Download

先ず、GitからICUソースコードをダウンロードします。クローン元は

 https://github.com/unicode-org/icu.git

で、クローン先のフォルダーは、僕の場合はこうなります。

 e.g. E:\ICU\icu

Building and Installing On Windows

ICU のビルド/インストールは次の手順で行います。

  • Step 1: ダウンロードされたICUソースコードのBuildに向けて、環境変数を設定しましょう。
  • Step 2: Visual C++でCompile & Build
  • Step 3: 検証用のBatch File修正 (ダウンロードされたBatch Fileにエラーがあります。)
  • Step 4: Test & Check
  • Step 5: Windows環境変数を設定

先ずは、「x64 Native Tools Command Prompt」を起動して、Visual C++のコマンドプロンプトを開きましょう。

Step 1: ダウンロードされたICUソースコードのBuildに向けて、環境変数を設定しましょう。

コマンドプロンプトにて、下記の3行を打ち込みます。

  • set PATH=%PATH%; e:\ICU\icu\icu4c\bin64; e:\ICU\icu\icu4c\bin64uwp
  • set INCLUDE=%INCLUDE%; e:\ICU\icu\icu4c\include
  • set LIB=%LIB%; e:\ICU\icu\icu4c\lib64; e:\ICU\icu\icu4c\lib64uwp

Step 2: Visual C++でCompile & Build (Command Prompt編)

続いて、次の1行を入力して、ICUをソースからビルドします。

 msbuild source\allinone\allinone.sln /p:Configuration=Release /p:Platform=x64

ICU Build Command

ビルドが無事に完了すると、次のステップに参りましょう。

ICU Build completed

Step 3: 検証用のBatch File修正 (ダウンロードされたBatch Fileにエラーあり)

ここで、以下のコマンドを実行しても、エラーが表示されます。

 e:\ICU\icu\icu4c\source\allinone\icucheck.bat x64 Release

何故ならば、このBatch Fileにエラーが有るからです。修正しましょう。

Batch File Error

以下が「icucheck.bat」の誤記部分となります。

set ICU_ICUDIR="%~dp0"\..\..
if "%ICU_ARCH%" == "x64" (
    set ICU_BINDIR=%~dp0\..\..\bin64
) else if "%ICU_ARCH%" == "ARM64" (
    set ICU_BINDIR=%~dp0\..\..\binARM64
) else if "%ICU_ARCH%" == "ARM" (
    set ICU_BINDIR=%~dp0\..\..\binARM
) else (
    set ICU_BINDIR=%~dp0\..\..\bin
)

その誤記部分を以下の通りに修正します。

set ICU_ICUDIR=E:\ICU\icu\icu4c
if "%ICU_ARCH%" == "x64" (
    set ICU_BINDIR=%ICU_ICUDIR%\bin64
) else if "%ICU_ARCH%" == "ARM64" (
    set ICU_BINDIR=%ICU_ICUDIR%\binARM64
) else if "%ICU_ARCH%" == "ARM" (
    set ICU_BINDIR=%ICU_ICUDIR%\binARM
) else (
    set ICU_BINDIR=%ICU_ICUDIR%\bin
)

Step 4: Test & Check

再度、下記のコマンドを入力して、検証用プログラムを実行しましょう。

 e:\ICU\icu\icu4c\source\allinone\icucheck.bat x64 Release

無事にプログラムが終了すれば、テスト完了です。

ICU Test completed

Step 5: Windows環境変数を設定

テスト完了後は、環境変数の設定も忘れずに行いましょう。Step 1の内容をWindows環境変数に登録すれば、完了です。

Conclusion

如何でしたか。本稿ではQtをインストールする上での必須プログラム「ICU」を紹介し、インストール手順を列記しました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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